『サクリファイス』

047 近藤史恵サクリファイス』(新潮社)
2007年の話題作。いやあ、たしかにこれはすごいわ。
自転車レースの複雑な仕組みは全く知らなかったので勉強になったし、最後まで読んでその題名の意味するところを知り戦慄した。手がかりがあらかじめ読者の前にさらされているミステリ、というわけではなかったけど、事態が二転三転するにつれて、ひとりの人物像がくっきり浮かび上がってくる仕組みは見事。続編もあるらしいので、期待しよう。