『水魑の如き沈むもの』

022 三津田信三『水魑の如き沈むもの』(原書房
どうも三津田さんの文章が肌に合わず、途中四分の三までは泣きたくなるほど読むのがしんどかった。が、連続殺人が起こるあたりから俄然面白くなり、おなじみの「推理ノート」を経て真相にたどりつくまでの道筋は、めちゃめちゃ好みっ。しかも前半が(つまらないながらも)分かりやすく書かれていたせいで、謎解きがするすると頭に入ってきて、快感だった。こんな充実した読後感が得られるとは、途中全く予想しなかったなあ。