『月と蟹』

040 道尾秀介『月と蟹』(文藝春秋
自分の好きなものを書く、という作者の姿勢はけっして嫌いではないが、正直「またこの路線かいな」と、少々食傷気味。心が揺れて行動が揺れて、理路整然とはいかないのが人間で、まして子どもならなおさらではあるが、なんというか、ちぐはぐなのだ。中途半端なのだ。別に、ミステリから離れるのはちっとも構わないのだが、うーむ、どうも私には合わないというか、長篇はしばらく読まないでもいいかなあ。

自分のしたことが自分に返ってくる、と云うのなら、大量のヤドカリ殺戮もそのうち返ってくるぞ、キミたち(笑)。