『竜が最後に帰る場所』

041 恒川光太郎『竜が最後に帰る場所』(講談社
表紙が気に入って手に取った一冊。「夜行の冬」前半のほのかなユーモア、「鸚鵡幻想曲」の発想のすばらしさがとくに心に残った。ラストの一篇も「竜」という単語を全く出さずに物語を進めて行くところなど、上手いなあ。欲を云えば、「迷走のオルネラ」前半の容赦なさで最後まで突っ走る話も読んでみたい。