『海に沈んだ町』

三崎亜記『海に沈んだ町』(朝日新聞出版)
我々の暮らす日常と、設定はどこかしらズレているのだけれど、そこに暮らす人々は至って普通。なので、物語の振れ幅は決して大きくはないのですが、静かに心にしみてくる、そんな印象。ほのかな恋愛あり、ひやっとする幕切れあり、奇妙な味の三崎ワールドを今回も存分に堪能できて、満足。白石ちえこさんの写真も、妙にマッチしていてとても効果的。