『ピース』

樋口有介『ピース』(中公文庫)
「読んだ後に表紙を見ると、ゾッとする」とかなんとか書店のPOPに書かれてて、最後にどんでん!タイプの小説は大好物なので、手に取ってみました。
いやもうあーた、文章が肌に合わないのなんのって。読み終わるのに一ヶ月もかかっちゃったよ(笑)。でも解説の郷原宏は「うまい。うますぎる」「文章がいい。会話がしゃれている。人物が生きている‥」と褒めちぎっているから、私がとびきりバカなだけなんでしょう、うるうる。
小説のプロットはいいと思うのよ。伏線もそれなりに仕込まれてたし、ミスリードっぽいのも一応あったし、バラバラにした理由なんか、驚きかつ納得したし(一番最後の趣向は、それはさすがに無理があるんじゃないかと思ったけどね)。でもとにかく文章がクドすぎる。鼻すするたびに書かなくていいから。肩たたくたびに書かなくていいから。細密な描写が楽しく読めるのは、スティーブン・キングぐらいのものかもしれないなあ。