「八日目の蝉」

おお、これはなかなか上手い脚本だ。小説のピースの取捨選択が実に的確。違和感を感じたのは、エンジェルホームがカルト教団のように描かれていたことぐらいかな。希和子と恵理菜の話を平行して見せ、終盤、小豆島で交差させるところもいい。淡々と丁寧に描かれているが、尺の長さはあまり感じなかった。
井上真央永作博美も、なるほど圧巻の演技で、アカデミー賞を獲ったのもうなずけたが、一番驚いたのは小池栄子。彼女のイメージとは正反対の、猫背でオドオドして、心に鬱屈を抱えている役が見事にハマっていた。

(DVDにて鑑賞 005)