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『中国嫁日記 四』

井上純一『中国嫁日記 四』(KADOKAWA/エンターブレイン) 前半はいつも通りのほんわかクオリティー。そして描き下ろしは‥自分にとっての辛い話もきちんと描くジンサン、えらいなあ。そして、広い心でそれを支える月サンの言葉も感動もの。

『ビブリア古書堂の事件手帖(6)』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖(6) 栞子さんと巡るさだめ』(メディアワークス文庫) 冒頭で書かれているにも関わらず、終盤の展開にドキドキ釘付け。大輔くんよくやった。一巻最初の物語が絡んでくるのだから、構成も最初から考えられていたのね、お見事…

『毎日かあさん(11)息子国外逃亡編』

西原理恵子『毎日かあさん(11)息子国外逃亡編』(毎日新聞社) 目標達成のために目一杯頑張った息子さんに、拍手。海の向こうでたくさん貯金していらっしゃい。他、特に好きな回は「25年前に自分の娘に絵の具を」と「マリちゃんへの貢ぎ物」。

『アル中病棟』

吾妻ひでお『アル中病棟 失踪日記2』(イースト・プレス) 『失踪日記』は発売後すぐに買って読んだのだが、こちらは「アル中‥ま、いっか」って感じでスルーしてたんだけど、今回読んでみたら‥やっぱすごかった。自分の凄絶な体験を作家の目で観察する、そ…

『カオスノート』

吾妻ひでお『カオスノート』(イースト・プレス) これはすごい。傑作。1コマにこめられた奇想たるや。一気に読まずにちまちま小出しにして、その豊かな創作を噛みしめるべし。

『“藤壷” ヒカルが地球にいたころ(10)』

野村美月『“藤壷” ヒカルが地球にいたころ……(10)』(ファミ通文庫) 完結おめでとう。ほのほの、よかったね。意外な敵の登場だったが、もう少し伏線があってもよかったかな。あまたの女性を愛するプレイボーイは超苦手なんだけど、ヒカルはぜんぜんオッケ…

『死んでいるかしら』

柴田元幸『死んでいるかしら』(日経文芸文庫) 著者は高名な翻訳家(ゴーリー!ミルハウザー!)であるからして、しかめっ面の英国風老紳士を勝手に想像してたんだけど、あれ?なんかそうでもなかったみたい? きたむらさとし氏のイラストがまた、ほんわか…

『“六条” ヒカルが地球にいたころ(9)』

野村美月『“六条” ヒカルが地球にいたころ……(9)』(ファミ通文庫) 女の子が一堂に会する場面の楽しさと云ったら! 野村美月さんは、こういうラブコメ・シーンが一番、筆が乗る感じがするなあ。いやらしい六条相手、ということでかなり構えて読んでいたの…

『珈琲店タレーランの事件簿3』

岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは』(宝島社文庫) 過去の二冊が今ひとつ肌に合わなかったものの、初の長篇ということでもう一度チャレンジしたが、うーむうーむ(困惑)‥。いろいろ事件が起こっても、何食わぬ顔で進んでゆくコンテ…

『白ゆき姫殺人事件』

湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』(集英社文庫) リーダビリティーは抜群。ただなあ、この“ひとり語り”は湊かなえさんの常套手段なんだけど、登場人物が誰も彼も饒舌すぎるのも不自然で、飽きてきたのも事実。Twitterやブログ、新聞・雑誌記事まで作成した労力…

『金曜のバカ』

越谷オサム『金曜のバカ』(角川文庫) 表題作の暴走っぷりと、「ゴンとナナ」の切なさが特に心に残った。もうちょっと意外な展開があっても楽しかったかな。「星とミルクティー」だけは、ゴメンこれは許せねー(苦笑)。 あらゐけいいちの表紙イラストは素…

『おはなしして子ちゃん』

藤野可織『おはなしして子ちゃん』(講談社) こんな設定よく思いつくなあ。表題作のネーミングの上手いこと。「アイデンティティ」の人魚のおかしさ、「ホームパーティー〜」イタい主人公の妄想なんだか何だか分からない暴走っぷりが特に印象に残った。「遅…

『中国嫁日記 三』

井上純一『中国嫁日記 三』(エンターブレイン) ブログで既に読んでるし、芸術写真についてはテレビ番組で見たし、中国へ引っ越しというイベントがあったわりには、全体的にマンネリぎみ。でもそれは幸せが続いているということで、いいのではないかと。

『陽だまりの彼女』

越谷オサム『陽だまりの彼女』(新潮文庫) こういう話だったのか! だから蝶、だから丸い‥なるほどなるほど。これはぜひ映画版も観てみなくては。

『ビブリア古書堂の事件手帖(5)』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖(5) 栞子さんと繋がりの時』(メディアワークス文庫) え?五月三十‥あっそうか!とその意味に気づき、まんまとやられたーとニタニタ。そして栞子さんの不安に対する大輔“くん”の返事が素晴らしい、と喜んでいたら、えっそ…

『箱庭図書館』

乙一『箱庭図書館』(集英社文庫) 久しぶりに読む乙一作品は、懐かしくもあり、こんなに漢字を開く人だったっけ?な驚きもあり。「ホワイト・ステップ」良かったなあ。素人のアイディアを拝借するという企画自体にモヤる部分があったけど、友井羊さんの解説…

『毎日かあさん(10)わんこギャル編』

西原理恵子『毎日かあさん(10)わんこギャル編』(毎日新聞社) ベストマザー賞おめでとう。わけありのデカ犬までやって来て、ますます楽しいサイバラ一家。正直、本はもう買わなくてもいいかなあと毎回思うんだけど、どうにも縁は切れません。

『“花散里” ヒカルが地球にいたころ(8)』

野村美月『“花散里” ヒカルが地球にいたころ……(8)』(ファミ通文庫) 彼女が主人公になる巻があるとは、最初の頃は全く予想していなかったもんなあ。蛍光灯がチカチカ‥のあたりは、その危うさにドキドキ。おまけの朝ちゃんも可愛いったらなかったけど、個…

『チア男子!!』

朝井リョウ『チア男子!!』(集英社文庫) 最初にある、チアの技の名前を説明する絵がかわいい(^^)←そんなとこかよ チアを構成する人数分の物語を詰め込んだために、ひとりひとりが薄くなってしまった印象。なぜ “男子だけ” なのか、混成チームじゃ駄目だ…

『天体少年。』

渡来みなみ『天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜』(メディアワークス文庫) 題名に惹かれて購入。おお、これは個人的に大当たりの内容でした。すれ違う七夜という設定が秀逸(SFには明るくない自分なので、先例ありまくりなのを知らないだけかもし…

『“空蝉” ヒカルが地球にいたころ(7)』

野村美月『“空蝉” ヒカルが地球にいたころ……(7)』(ファミ通文庫) ヒカルの赤ちゃん!? 騒動からから是光のお母さんに話が及ぶとは。笑う練習と泣く練習に胸がぎゅっとなった。それにしても是光の周りにはいい女の子がたくさん‥ヒカルの謎よりそっちの結末…

『“朝顔” ヒカルが地球にいたころ(6)』

野村美月『“朝顔” ヒカルが地球にいたころ……(6)』(ファミ通文庫) 字合わせの対決、結末は想定内だったけど、そこに行き着くまでの展開がなかなか読みごたえあって、良かった。ここんとこの ひいなの変わりっぷりが意外だったり、ええ級長も?だったり、…

『“末摘花” ヒカルが地球にいたころ(5)』

野村美月『“末摘花” ヒカルが地球にいたころ……(5)』(ファミ通文庫) 水着シーンは文句なく楽しかった(笑)し、「誰がサフランか」の謎には、見事ヤラれたー。さほど難しい謎ではなかったのに、“書類鞄、新聞、おしぼりで顔”‥男だと思ったんだもん(>

『珈琲店タレーランの事件簿2』

岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る』(宝島社文庫) 一作目が今ひとつ肌に合わなかったものの、とあるミステリ通な方がおススメしていたので読んでみたが、うーむうーむ(困惑)‥。あの口調は年下だと思ったからって、なんだ…

『64』

横山秀夫『64(ロクヨン)』(文藝春秋) 警察組織の中での権力志向とか足の引っ張り合いとか、男の論理で進んでいく物語に、まーーーったく興味が持てなくて(笑)、なのに一気に読めちゃうのだから、その筆力はさすが。電話の声だけで本当に分かるのかしか…

『ビブリア古書堂の事件手帖(4)』

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖(4) 栞子さんと二つの顔』(メディアワークス文庫) 初の長篇。うわあ、テーマとなる“乱歩”と物語とが実に上手く呼応していて、これは非常に面白かった! 母の存在感も凄かったな、負けるな五浦くん。

『月とにほんご』

井上純一『月とにほんご』(アスキー・メディアワークス) “プラスアルファ”、“どくせんじょう”、“しょうこうひん”‥べ、勉強になりました(笑)。これだけ日本語を習った月さんも、最後の文書を読むと助詞の使い方やら何やらだいぶ間違っているので、やっぱ…

『おやすみラフマニノフ』

中山七里『おやすみラフマニノフ』(宝島社文庫) 前作同様、ヴァイオリンやピアノの演奏シーンの描写が超絶上手くて素晴らしい。残念ながらミステリ部分は、出だしのストラディバリウス消失のインパクトに比して、結末が尻すぼみの感あり。主人公のとったあ…

『八日目の蝉』

角田光代『八日目の蝉』(中公文庫) これは、上手いなあ。 愛人の子を身ごもり、しかし自分は母になることは叶わなかった。それなのに時を同じくして本妻は子どもを産んだ。こういう設定の小説ならまあ、よくあるんだけど、その先、成長した娘の視点で物語…

『珈琲店タレーランの事件簿』

岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社文庫) ジャケ買いしました(笑)。私が買った本には「20万部突破!」と帯に書かれているけど、つい先日は50万部突破の文字が踊っていたなあ。正直、そ‥それほどか?(笑…