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『ボランティアバスで行こう!』

友井羊『ボランティアバスで行こう!』(宝島社文庫) あの “SRの会” が第一位に選出したぐらいだから、どんなミステリなんだろうと興味津々で読み進めた。なるほどメンバーひとりひとりを詳しく説明しなかったのにはそういうワケがあったのか。途中で感じた…

『スイーツレシピで謎解きを』

友井羊『スイーツレシピで謎解きを 〜推理が言えない少女と保健室の眠り姫〜』(集英社文庫) 千街晶之さんが勧めていたので手に取った次第。 謎が解けてハイ終わり、ではなく、解けた後の展開にいろんなパターンがあって考えさせられたのが興味深かった。饒…

『何者』

朝井リョウ『何者』(新潮文庫) さんざん受験勉強してやっと入学して、高い授業料払って、なのに大学は就職予備校じゃないでしょう? 未来ある若者を、学生の本分以外のことでこんなにもすり減らしていいのか。大人はこの制度をもっと何とかしなくちゃいけ…

『夜葬』

最東対地『夜葬』(角川ホラー文庫) なぜ題名を『どんぶりさん』にしない? “夜”の“葬”なんてほとんど出てこないじゃん!いつのまにか側にある本、勝手に立ち上がるスマホのアプリ、のあたりはすんごい怖い。そこのスピード感は『着信アリ』より怖かったか…

『毎日かあさん(13)かしまし婆母娘編』

西原理恵子『毎日かあさん(13)かしまし婆母娘編』(毎日新聞社) 自分はサイバラさんと同い年。何を見ても「ヨシ」という感覚は分かる。でもごめん、「私の人生は夕ぐれのはじまりで」には全く賛同できない! 子どもが社会人になり(うちは一生手がかかる…

『かにみそ』

倉狩聡『かにみそ』(角川ホラー文庫) 「かにみそ」蟹がかわいい、かわいすぎるよ、蟹〜(>ニートな青年のどこか刹那的、首尾一貫せず行き当たりばったりな感じも、妙にリアル。これはいいもの読みました。「百合の火葬」は少し長かった、かな。でも文章は…

『小説 君の名は。』

新海誠『小説 君の名は。』(角川文庫) 新海監督、文章も達者だなあ。映画のセリフを脳内で再現しながら、再度感動。 へえ、スニーカー文庫の『君の名は。 Another Side:Earthbound』も面白そうだな、今度読んでみようっと。

『ザ・万字固め』

万城目学『ザ・万字固め』(文春文庫) そうかお子さんもいらっしゃるのかーとか、転んでもタダでは起きず取材にしちゃう株主総会話とか、ひょうたん、サッカー(になるとちょっと辛口←きっと好きだからこそ)、ケラケラ笑いながらとても楽しく読了。語りが…

『スナックさいばら おひとりさま篇』

西原理恵子『スナックさいばら おひとりさま篇』(角川文庫) 個人的に熟読した章は「年下男にハマるワケ」(笑)。

『スナックさいばら けものみち篇』

西原理恵子『スナックさいばら けものみち篇』(角川文庫) WEB掲載時からちょこちょこ読んでいたんだけど、娘にプレゼントしようと思って文庫買った次第。悩んでいる方々、眼からウロコが落ちますよ。

『何様ですか?』

枝松蛍『何様ですか?』(宝島社文庫) 「あまりにも強烈な卓袱台返し(大森望)」という帯と、表紙のインパクトで購入。スクールカースト、SNS絡みの話は昨今氾濫しているらしい(ブログはもう古いと思うけど)が、わたしはなかなか面白く読んだ。たしかに…

『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』

知念実希人『幻影の手術室 天久鷹央の事件カルテ』(新潮文庫nex) あの元気なウザキャラ、鴻ノ池がこんなことになるとは。でもあんまりに意外すぎて一周回ってむしろ「これはフェイクだろ」って気づいてしまった感あり。伏線がぴたぴたハマる様は心地よかっ…

『江ノ島西浦写真館』

三上延『江ノ島西浦写真館』(光文社) 江ノ島、写真、ビブリアの作者。これだけ好きなアイテムが並んでいたら読まずにはいられない(笑)、ということで、普段はもっぱら文庫派の自分も手に取ってみた次第。 どこか陰のある登場人物たち、ワケありの人たち…

『天久鷹央の推理カルテ IV 悲恋のシンドローム』

知念実希人『天久鷹央の推理カルテ IV 悲恋のシンドローム』(新潮文庫nex) 小鳥先生の惚れっぽさ(特に外見にばかり惹かれる辺り)、今まではちょっとウザかったけど今回は最後に役に立つ、そのあたりが良かった。

『ニャアアアン!』

鴻池剛『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(KADOKAWA/エンターブレイン) ぽんた君の写真も載っているのだが、こんなに似てない猫の似顔絵も珍しい(笑)。ただ可愛いだけじゃない、猫飼いのあるあるネタを、一歩引いて冷静に観察‥しているようだけど実…

『残穢』

小野不由美『残穢』(新潮文庫) “ぶらんこ”“金襴の帯”のイメージが強烈。時代を遡るにつれ、さらなる穢れが明らかになり、非のある者に「祟る」ならともかく、非のない者が触れるだけで伝染する、のあたりでひたひた広がってきた恐怖は最高潮に達する。のだ…

『鬼談百景』

小野不由美『鬼談百景』(角川文庫) 不思議と出会って「怖い」という感情が起こる前に、とりあえず眠かったり、腹が立ったり、そうした描写がむしろリアルで心に残った。一読して付箋をつけたいくつかの掌編の名、一応書き留めておこう。「マリオネット」「…

『中国嫁日記(五)』

井上純一『中国嫁日記』(KADOKAWA/エンターブレイン) 表紙の民族衣装と、「ミルク」「牛角」の共演に(^^)。牛角の話が最後まで収録されてないのが、逆によかったかも(いえ別にバッドエンドじゃないけどね)。莫大な借金を抱えて、いろいろ大変で、でも…

『毎日かあさん(12)母娘つんつか編』

西原理恵子『毎日かあさん(12)母娘つんつか編』(毎日新聞社) 裏表紙に泣いた(><)。子どもたちがちゃんと成長してて、他人の子ながら嬉しいなあ。

『とにかくうちに帰ります』

津村記久子『とにかくうちに帰ります』(新潮文庫) 前から気になる作家さんではあったのだが、買う決め手になったのが「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」。顔が濃くて、スピンがものすごく遅くてってそれどこの高橋大輔w(いや近年はスピン上手…

『母性』

湊かなえ『母性』(新潮文庫) この作者、デビュー作以外はあんまり自分と相性良くないんだけど、帯の「事故か、自殺か、殺人か。」に惹かれて読んでみたが‥うーむ、帯から期待したような話じゃなかった orz、やっぱりいつもの湊さんだった。一気に読ませる…

『スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ』

知念実希人『スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ』(新潮文庫nex) 鷹央先生のある資質に、いくらなんでも小鳥先生は気づくの遅すぎ(わたしでも分かってた ぞ)だが、まあ、期待どおりの結末にたどり着いて、よかったよかった。

『天久鷹央の推理カルテ III 密室のパラノイア』

知念実希人『天久鷹央の推理カルテ III 密室のパラノイア』(新潮文庫nex) 「密室で溺れる男」が秀逸。鷹央と密室!というワクワクはもちろん、その真相には驚かされた(むろん、専門知識がないと事前には全く分からない類いのものだけど)。

『天久鷹央の推理カルテ II ファントムの病棟』

知念実希人『天久鷹央の推理カルテ II ファントムの病棟』(新潮文庫nex) ストーリー上の必然性はあるにせよ、鷹央に元気がないので物語もテンション低め。題名は「ファントム」より「エンジェル」が良かったのでは。

『ショートショート・マルシェ』

田丸雅智『ショートショート・マルシェ』(光文社文庫) ショートショートの若い作家さんということで、すごく注目していました。読むのは今回初。 ‥ううむ。発想はいいんだけど、言葉遊び的要素が多くて。共通のテーマを設けるのは良しとしても、もう少しバ…

『天久鷹央の推理カルテ』

知念実希人『天久鷹央の推理カルテ』(新潮文庫nex) おお!これはけっこう面白いぞ。作者は本物のお医者さんなので、病院の内部や病気の症状の記述は折り紙付き。知らない人が調べて書くのと、本当に良く知っている人が書くのとではこうも違うのかと、感心…

『ソロモンの偽証』

宮部みゆき『ソロモンの偽証 (一)〜(六)』(新潮文庫) 映画前篇を見た後に (一)〜(三) を、後篇を見た後に (四)〜(六) を読了。 六冊あっという間に読ませてしまう筆力は、さすがとしか云いようがない。大勢の登場人物それぞれに物語がしっかりあり、実に立…

『ある朝目覚めたらぼくは』

要はる『ある朝目覚めたらぼくは 〜機械人形の秘密〜』(集英社オレンジ文庫) 「機械人形(オートマタ)」というキーワードに惹かれて購入。文章もまあ読みやすいし、人物も舞台もそれなりに魅力的。でも帯で「(コージー・)ミステリー」と謳うなら、読者…

『少女は卒業しない』

朝井リョウ『少女は卒業しない』(集英社文庫) 取り壊されることが決まった高校の、最後の卒業式。それ自体はあまり描かずに、周りの出来事を時系列順にひとつずつ紡いでいく手法が上手い。「それ送辞でわざわざ云うような内容?チラ裏でいーんじゃないの」…

「東雲侑子」シリーズ

森橋ビンゴ『東雲侑子は短編小説をあいしている』『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』 『東雲侑子は全ての小説をあいしつづける』(ファミ通文庫) “文学少女”的なノリを期待して読んでみたのだが‥ううむ(u_u;;)。まあ、ミステリじゃないんだから謎解…