2007-01-01から1年間の記事一覧

『前田建設ファンタジー営業部neo』

057(実用書?) 前田建設工業株式会社『前田建設ファンタジー営業部neo』(幻冬舎) 「貴方のお庭から、アンドロメダへ」というコピーが秀逸(笑)。もちろんWeb上で読めるのだが、本の方が文章は読みやすい(でも参考資料のアニメ絵や写真は、Webのカラー…

『鎮火報』

056(小説) 日明恩『鎮火報』(講談社ノベルス) 長いよ。熱いよ。でも読む前と後で、消防車のサイレンの音が全く違って聞こえるようになった。力ある小説。

『青年のための読書クラブ』

055(小説) 桜庭一樹『青年のための読書クラブ』(新潮社) あれえ、読書の話じゃないのか。章ごとに語り手も時代も変わるのに文体が同じなのがちょっと‥。でも、デフォルメの仕方は桜庭さんらしくて楽しかった。一見精緻なアール・ヌーヴォー風、でも良く…

『底辺女子高生』

054(エッセイ) 豊島ミホ『底辺女子高生』(幻冬舎文庫) アウトローな高校生から「底辺お母さん」へと成長(?)した自分は、著者の「大丈夫だよ」というメッセージがとても嬉しかった。で、このエッセイを読んだ後は当然のように『檸檬のころ』が読みたく…

「呪怨」

長女と一緒にホラー映画を観よう第二弾。(第一弾は「箪笥」だった) 映画版よりビデオ版の方が怖いと、どこぞで聞いた気がしたので、それを借りてきました。 「出るぞー、出るぞー、ほら出たー」的な、タメの大きい怖がらせ方だと、わりと平気な私。でも今…

「レミーのおいしいレストラン」

最近のCG絵はすごいなあ。ネズミの毛並みなんか、ほんとリアル。ストーリーはちょっと単純すぎ。もう少しひねりがあっても。 (映画館で鑑賞)

『パズルゲーム☆はいすくーる(16)』

053(漫画) 野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる(16)』(白泉社文庫) この表紙、みいなちゃんかと思ったら美女なのか。現在のミステリ研メンバーが出てくる「頼もしい後輩」、美女の活躍する「些細な出来事」が特に印象に残った。美女&卓馬、この二…

『百万のマルコ』

052(小説) 柳広司『百万のマルコ』(創元推理文庫) 各篇お定まりの展開は、さながら「水戸黄門」のように(笑)安心して楽しめた。登場する国々の変わった風習や決まりごとが、謎を解く条件としてちゃんと機能しているところがいい。ミステリが主、物語が…

『夢を与える』

051(小説) 綿矢りさ『夢を与える』(河出書房新社)。 キラリと光る文章は少なかった気がするが、それにしても十八歳少女をこんなとこに置き去りにしますか。著者の容赦なさ、好きだなあ。

『毎日かあさん(4)出戻り編』

050(漫画) 西原理恵子『毎日かあさん(4)出戻り編』(毎日新聞社)。 読むと子育ての原点に立ち返れる。だから、たくさんのありがとうをサイバラさんと、健気なお子さんたちと、そして天国の鴨ちゃんに。これからも、この家族にどうぞ幸多かれと祈らずに…

『サイン会はいかが?』

049(小説) 大崎梢『サイン会はいかが?』(東京創元社) 書店員さんやお客さん、それぞれのキャラがとてもよく描かれていて面白かった。手掛かりが伏線として予め提示されるともっと良かった。「君と語る永遠」「ヤギさんの忘れもの」は素直に感動。でもイ…

『ゆれる』

048(小説) 西川美和『ゆれる』(ポプラ社) 章ごとに語り手が替わる構成が秀逸。事件の真相については、映画を観た時自分が考えたストーリーはやっぱ違うのかなあという印象を持った。しかし、つくづくこの兄のキャラ設定は凄まじい。いずれまた映画もじっ…

『蹴りたい背中』

047(小説) 綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出文庫) 『インストール』の時は「ふーん」程度だったんだけど、うわ、これは参ったわ。強がってるけど淋しくて、正直だけど素直じゃなくて、周囲はよく観察してるくせに自分に関しては鈍感で。等身大の無器用な少…

『タイムカプセル』

046(小説) 折原一『タイムカプセル』(理論社) 謎解きそのものより、中盤までのホラーな趣向がかなりツボにはまって、わくわくした。

『インストール』

045(小説)綿矢りさ『インストール』(河出文庫) 独特なリズムの文章がなかなか肌に馴染まなかったが、少年が出てくる辺りから面白くなってきた。適度にマトモで適度に意地悪な主人公もいい。でも、えーここで終わり?

『ちゃれんじ?』

044(エッセイ・小説)東野圭吾『ちゃれんじ?』(角川文庫) 人は何かにハマると「こんなに面白いのにどうしてやらないの?」という押し付けがましい姿勢になりがちだが、東野さんは終始ストイック。なので、読み終わってもスノボのことはよく分からないま…

『小説こちら葛飾区亀有公園前派出所』

043(小説)大沢在昌・石田衣良・今野敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂剛・東野圭吾『小説こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)。 新宿鮫もIWGPも未読なので、著者の持ちキャラとの絡みを楽しめたのは京極作品だけだったんだけど‥なるほどだから中野なの…

『カカオ80%の夏』

042(小説)永井するみ『カカオ80%の夏』(理論社) おお、正統派ハードボイルド。人物の描写が実に的確。少女だけでなく、おばあさんのセリフも本当に聞こえてきそうな程リアルに描かれていた。

『雨の恐竜』

041(小説)山田正紀『雨の恐竜』(理論社) あとがきに「私のなかには十四歳の少女が存在する」と書かれていて、ほんまかいなと斜に構えて読み始めたら、本当だった。著者にとって性別も年代も違う人物をこんなにリアルに描けるものなのかとびっくりした。…

『小生物語』

040(エッセイ(小説?))乙一『小生物語』(幻冬舎文庫) 日常も、乙一ボックスを通すとこんなに変容。Web連載時にも読んでいたので、ソファーの少年との再会が嬉しかった。

「キサラギ」

伏線フェチのそこのあなた、これはお薦めでっせ。自分は、ユースケと塚地と香川照之が出てるという前情報だけで映画館に足を運んだのだが(その目的も我ながらどうかと(笑))、最初のうちこそいかにも舞台劇っぽいテンションの高さが気になったものの、中…

『黙の部屋』

039(小説)折原一『黙の部屋』(文藝春秋) フィクション(と思われる)部分より、実在した黙に関するノンフィクション部分が圧倒的に面白かった。オークションの描写なんか、すごいリアル。いっそのこと主人公には、女なんぞにうつつを抜かさず、黙ひとす…

『赤朽葉家の伝説』

038(小説)桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社) 「昭和初期から平成まで、時代の移り変わりに絡めて語られる、旧家の女性三代記」ではあるんだけど、そんな言葉じゃこの小説の魅力は半分も伝わらないだろう。素っ頓狂でチャーミング。こんな物語読ん…

『パズルゲーム☆はいすくーる(15)』

037(漫画)野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる(15)』(白泉社文庫) ネタは早い時点で予想がつくものもあったが、ストーリー運び、特に締めくくり方が上手いので、安心して読める。鉄板だね。「嘘つきが多すぎる」がとりわけ好き。

『鉄鼠の檻』

036(小説) 京極夏彦『鉄鼠の檻』(講談社文庫) このまま自分は、箱根の山中で雪と僧侶にまみれて息絶えるかと思った(僧の呼び方が名字だったり下の名前だったりするので覚えられねえ(笑))。面白かった、けど長いなあ。これ以上はないってくらいレギュ…

『銃とチョコレート』

035(小説)乙一『銃とチョコレート』(講談社) 祝・うつのみやこども賞! けっこうダークな部分もあるけど、いい人悪い人、そんな紋切り型の分け方が通用しないところが深いなあ。平仮名が多いせいか、初読の時は中盤間延びした印象を持ったけど、再読した…

『でかい月だな』

034(小説)水森サトリ『でかい月だな』(集英社) おお、これはけっこうツボ。主人公の心情がとても自然に描かれていて、自分の気持ちと重ね合わせながら読むことが出来た。中川くん、いい味出してるなあ。幻想的な描写がもう一息、あと眼帯少女が後半唐突…

『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』

033(実用書)大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』(PARCO出版) 同じことを三年もやってると、マンネリになったりテンション下がったりしてもおかしくないのに、この二人はそうした懸念とは一切無縁。いやー相変わらず飛ばしてくれ…

『ブラバン』

032(小説)津原泰水『ブラバン』(バジリコ出版) いきなり30名を越す登場人物表(しかも担当楽器付き)が出てきて面喰らったが、気にすることはないよ。高校時代と25年後の現在とが何度も交錯する構成なのに、本文を読んでるだけで自然に、大勢の人物の昔…

『できるかなクアトロ』

031(漫画)西原理恵子『できるかなクアトロ』(扶桑社) どこまで行くんだサイバラ。ヒジュラとゴビ砂漠が特に良かった。こんなに地に足のついたルポはそうはお目にかかれない。