2011-01-01から1年間の記事一覧

「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」

なんか魔が差して(笑)、わざわざ映画館に観に行っちゃいました。船に乗り込む面々は、それぞれキャラが立っててとても分かりやすく、誰が生き残るかも意外と想像どおりに行かなくて、そういう点はよかったです。でも、殺人者は複数で、勝手知ったる自分の…

『“葵” ヒカルが地球にいたころ(1)』

026 野村美月『“葵” ヒカルが地球にいたころ……(1)』(ファミ通文庫) フツーに面白かったです。絵が美麗。たぶん続きも読むと思う。女の子がわらわら沢山出てくる話ではあるけれど、物語の根幹は、少年のピュアな友情物語なのね。女を周りに侍らすプレイボ…

『さよならのためだけに』

025 我孫子武丸『さよならのためだけに』(徳間書店) 我孫子さんお得意の近未来もの。結婚に関するこの設定、実にあり得そうで上手いなあ。終盤やや肩すかしに思えた部分もあった(洗脳は?データ改竄の謀略は結局?)けど、男女の心理の書き分けも上手いし…

『折れた竜骨』

024 米澤穂信『折れた竜骨』(東京創元社) すごいっ。剣も魔法も、本格の前にひれ伏すのみ。

『ツナグ』

023 辻村深月『ツナグ』(新潮社) 女性、男性、若い人、年配の人、誰が語り手になっても、彼ら彼女らの心情が自然にこちらに届いてきて、辻村さんの書き手としての力量をまざまざと感じました。ラストの一篇から様々なことが見えてきて、彼の両親の死にまつ…

「ブラック・スワン」

物語はいたってシンプル。無駄に格調高くしたり難解にしたりせず、下世話で悪趣味に徹したところがいいと思いました。母親の庇護のもと、バレエしか知らずに育った籠の中の鳥のような、ナタリー・ポートマンの芝居がそりゃもう正確ど真ん中で素晴らしい。 (…

『工学部・水柿助教授の解脱』

022 森博嗣『工学部・水柿助教授の解脱』(幻冬舎) 文庫になるのを待ってたんだけど、なかなかならなかったので単行本を読みました。 久しぶりにこのシリーズを読みましたが、駄洒落の洪水に「わ、こんなだったっけ?」とびっくり(笑)。意外と時事ネタも…

『ゴーストハント(2)人形の檻』

021 小野不由美『ゴーストハント(2)人形の檻』(メディアファクトリー) 人形が‥とか、池に‥とか、怖いシーンが相変わらず私のツボにぴったりとはまり、ひえぇ〜と楽しみました。レギュラーメンバーたちの職業というか属性というか、作者の中ではそれぞれ…

『少女たちの羅針盤』

020 水生大海『少女たちの羅針盤』(原書房) 中高時代、演劇部に所属していたかつての少女(=私)は、彼女たちのパワーがとても身近に懐かしく感じられ、楽しく読みました。現代パートはちょっと芝居がかりすぎかなとも思ったけど、ミステリの仕掛けもなか…

『謎解きはディナーのあとで』

019 東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』(小学館) 真犯人までたどり着く道筋はシンプルで分かりやすい。けれど侮る事なかれ、伏線をひとつひとつ丁寧に拾って脇道をぷちぷち潰してゆく手練はまさしく本格のそれ。面白かったです。これきっとドラマ化され…

『写楽 閉じた国の幻』

018 島田荘司『写楽 閉じた国の幻』(新潮社) 写楽については教科書レベルの知識しかない私にとって、とても面白い読み物でした。よく調べたよなあ。知らないが故に、新説に接してもさほど驚きませんでしたが(冒頭を読んで想像した通りの結末に行き着いた…

『半熟作家と“文学少女”な編集者』

017 野村美月『半熟作家と“文学少女”な編集者』(ファミ通文庫) 主人公のキャラはあまり好きになれなかったけど、全体は明るく軽いコメディータッチなので、さくさく読めました。遠子先輩は社会人になっても遠子先輩のままで、それはうれしかったな。以下、…

『叫びと祈り』

016 梓崎優『叫びと祈り』(東京創元社) なるほどこれは上手いや。その人ならではの動機が浮かび上がるところは、鳥肌もの。名探偵は地味でもべつに構わないんだけど、あまりに透明というか、物語に埋没しちゃってたのはちと物足りなかったかな。

『さよならドビュッシー』

015 中山七里『さよならドビュッシー』(宝島社文庫) ドビュッシーというよりはショパンですな、たいへん派手な物語。でも面白かったよ。結末はこう来るだろうというのは予測できたけど、そうなった裏付けがきちんと書かれていたのがマル。演奏シーンの描写…

『バッカみたい、読んでランナイ!』

014 『平山夢明と京極夏彦のバッカみたい、読んでランナイ!』(TOKYO FM出版) 震災後、停電が続いて、なんかなーんもやることなくなっちゃった(笑)とき、この本を読んでました。「尿を移すって‥ぶわっはっは」とか笑いながら。まだ津波の情報もあまり入…

『神の左手悪魔の右手 2』

013 楳図かずお『神の左手悪魔の右手 2』(小学館) 「黒い絵本」がとくに良かった(「影亡者」は、人外の者にさほど恐怖を感じないので‥)。「あんまり怖くてユメの内容を思い出せない」って、似たようなことを怪談のイベントで綾辻さんおっしゃってたっけ…

『神の左手悪魔の右手 1』

012 楳図かずお『神の左手悪魔の右手 1』(小学館) うわ、すっげーーっ。ものすごいスピード感。めっちゃトンがったロックという感じ。血みどろだけど美しい。「凄い」以外の形容詞が思いつかないよ。

「英国王のスピーチ」

身分を超えた友情、というあたり、「ドライビング Miss デイジー」を彷彿とさせられました。マイクの前で原稿を読む、できる人にとっては些細なことが当人にとっては大きな壁で。それを周囲に助けられながら乗り越えていくという、小さな個人的な物語。でも…

『秘密(9)』

011 清水玲子『秘密(9)』(ジェッツコミックス) いやー、うわー、続きはどーなるのか、気になって仕方がないよー。 過去の事件の様々なシーンがフラッシュバックして重なり、想像の斜め上を行く容赦ない展開。電話のディスプレイに彼の名が映って冒頭のシ…

「毎日かあさん」

だーかーらー、原作の良さげなところを取り出して繋ぎ合わせても、映画にはならないんだって(`∧´)‥と、『鳥頭紀行ジャングル編』でサイバラにハマったゆえに、サイバラ&鴨ちゃんにとても思い入れが深い私は、ついつい辛口な見方になってしまいます。鴨ち…

「RED」

ぶわっはっはっ、面白かったー(^^)。ネット上で見かけた評判がイマイチだったんで、どんなもんかなあと危惧していたんだけど、冒頭の制作会社(配給会社?)のロゴがコミックっぽかったんですよ(この時点では原作がグラフィックノベルであることを知らな…

『廃電車レクイエム』

010 丸田祥三『廃電車レクイエム』(岩波書店) 写真+エッセイ集。『赤い月、廃駅の上に』の表紙がとても気になったので、写真を撮られた丸田さんの本を手に取ってみたのですが、いやーこれびっくりしました。てっきり、プロの写真家が各地の廃電車を訪ねて…

「キック・アス」

新たなダーク・ヒーロー、いやヒロイン誕生! いたいけ(?)な少女が、ざっくざく人を殺しまくる光景に、おいおい〜と最初こそ思いましたが、うーむ、ここまで徹底して描かれると、逆に壮快。クロエ・グレース・モレッツね、覚えておきましょう。頼りない主…

「ソーシャル・ネットワーク」

冒頭からのセリフの洪水(主人公のあまりの早口)にびっくり。過去と現在を行ったり来たりの展開で、その差がほんの数年なんで、人物たちの見た目はほとんど変わらない。なので初めのうちこそ「あれっ?」と思いましたが、実はとてもシンプルな話でした。主…

『どこでもない場所』

009 セーラ・L・トムソン/ロブ・ゴンサルヴェス『どこでもない場所』(ほるぷ出版) → 『終わらない夜』にまとめて感想を。

『真昼の夢』

008 セーラ・L・トムソン/ロブ・ゴンサルヴェス『真昼の夢』(ほるぷ出版) → 『終わらない夜』にまとめて感想を。

『終わらない夜』

007 セーラ・L・トムソン/ロブ・ゴンサルヴェス『終わらない夜』(ほるぷ出版)008 セーラ・L・トムソン/ロブ・ゴンサルヴェス『真昼の夢』(ほるぷ出版)009 セーラ・L・トムソン/ロブ・ゴンサルヴェス『どこでもない場所』(ほるぷ出版) ニコニコ動画の「…

本は見た目が何割?

2011年最初、まずはこれ。昨年の「2011本格ミステリ・ベスト10」の装幀大賞でもとり上げられていた本。ほんとに血の色の再現度がハンパないです(笑)。 イラストが不気味でいい感じ。ウエダハジメさんは「ファウスト」の表紙とかも描かれていた方のようで。…

『毎日かあさん(7)ぐるぐるマニ車編』

006 西原理恵子『毎日かあさん(7)ぐるぐるマニ車編』(毎日新聞社) 鴨ちゃんが遠くになりにけり(ちょっと寂しい)。バカだバカだとさんざ云われながらもちゃんと私立に合格する息子に、朝ご飯を上手に作ってくれる娘。いいなあ‥それに引き換え我が家は‥…

「相棒 劇場版 II」

前半の畳み掛けるようなテンポの良さがとくに素晴らしかったです。TVシリーズを見ていない私にも、キャラの立ち位置がちゃんと分かる親切設計。冒頭の派手な爆発事件の真相には「えー、そんなことかい」と、ちとがっかりしましたが。なるほど、(以下ネタば…