2005-01-01から1年間の記事一覧

「始末人シリーズ(全五巻)」

073(漫画)明智抄「始末人シリーズ(全五巻)」(朝日ソノラマコミックス文庫)(『明朗健全始末人』『鳥類悲願始末人』『白花撩乱始末人』『暗中捜索始末人』『勧善掌悪始末人』) 耽美とお笑い、狂気と悲哀、すべてを網羅した怪作。小鳥さんが好きっ。

『百器徒然袋 風』

072(小説)京極夏彦『百器徒然袋 風』(講談社ノベルス) 私のイメージはこんな感じ>大きな箱に入れられ、どこかに運ばれて行く私(=読者)。ふたを閉められ真っ暗、外の話声はおぼろげながら聞こえて来るが、断片的でよく分からない。いったいどうなるこ…

『不思議じゃない国のアリス』

071(小説)沙藤一樹『不思議じゃない国のアリス』(講談社) 表題作と「銃器のアマリリ」が特に好き。前者はいきいきとした関西弁が、後者は圧倒的なバイオレンスの収束のさせ方が。

『gift』

070(小説)古川日出男『gift』(集英社) 掌篇集だが、まあなんて活字が大きい(笑)、でも不思議な元気をもらった。パワフルだけど粗野ではなくて、そしてポジティブ。一番好きだったのは「鳥男の恐怖」かな。 (文庫)

『スライハンド』

069(漫画)我孫子武丸×藤谷陽子『スライハンド』(ブレイドコミックス) うわあ、これは我孫子さんの小説でぜひぜひ読みたいっ。

『館島』

068(小説)東川篤哉『館島』(東京創元社) すごい館だなあ(笑)。スラップスティックに少々品がないけれど、あれっと思った箇所が伏線としてきちんと回収されているところはマル。 (文庫)

『古道具 中野商店』

067(小説)川上弘美『古道具 中野商店』(新潮社) 物の話かと思ったら、人の話ばっかりだった。私の頭の中では、ヒトミさんはモデルの はな のイメージ。 (文庫)

『クドリャフカの順番』

066(小説)米澤穂信『クドリャフカの順番』(角川書店) 楽しい!面白い!伏線いっぱい!動機も納得!これ以上何を望む?みんなも読んで〜。 (文庫) 再読時の感想→http://d.hatena.ne.jp/ayalist1/20080709/1215597582

『メフィストの漫画』

065(漫画) 喜国雅彦+国樹由香『メフィストの漫画』(講談社) 漫画の中にたくさん綾辻ネタがでてくるのが嬉しいぞっと。ところで「ミステリに至る病」でもカルタのネタがなかったっけ?私の記憶にかすかに残っているのは本に載っている「小説すばる」バー…

『図書室の海』

064(小説) 恩田陸『図書室の海』(新潮文庫) 私は恩田さんのホラーが大好きなので、「茶色の小壜」「国境の南」や「図書室の海」の一場面が特に心に残った。自身の長篇の予告という位置付けの短篇って、他にも例があるのかな?たいそう新鮮に感じたが。そ…

『バッテリー(1)(2)(3)』

063(小説) あさのあつこ『バッテリー(1)(2)(3)』(角川文庫) 視点がクルクル替わるのになかなか馴染めないのだけれど、子どもも大人も区別なくひとりの人間として描いているのは好感触。早く(4)(5)(6)が文庫で出ないかな。

『扉は閉ざされたまま』

062(小説) 石持浅海『扉は閉ざされたまま』(祥伝社NON NOVEL) うおおお(感動の雄叫び)。登場人物二人の息詰まる応酬が読みごたえあり。動機に絡んだ「ある物」が物語全般を通して浮きまくっているのが難だけど、最後の最後まで緊張感が途切れなかった…

『姉妹 ─Two Sisters─』

060(小説) 吉村達也『姉妹 ─Two Sisters─』(角川ホラー文庫) 「映画の謎は、全てこの小説で明らかになる!」とあったので、DVDを観た後に読んでみた。たしかに、細かい設定は分かりやすかったかな。韓国の童話『薔花紅蓮伝』については、特に知らなくて…

『ラッシュライフ』

061(小説) 伊坂幸太郎『ラッシュライフ』(新潮文庫) 構成にやられた。うわあ、あれがああでこれがこうで、あれがズレていたのかなるほど(どういう感想だ(笑))。伊坂ワールドの倫理観は私のそれと微妙にズレていて、ま、それでも充分楽しめたが。

『花まんま』

059(小説) 朱川湊人『花まんま』(文藝春秋) 涙がせり上がってくるもの、じっとりと重いもの、短篇それぞれに異なるカラーがあるものの、共通してどこかしら懐かしさを感じさせるのがこの著者の特長。お気に入りは「トカビの夜」「摩訶不思議」。朱川さん…

「箪笥」

「号泣ホラー」なんてキャッチコピーが付いているけど、号泣はしませんでした(笑)。ホラー‥たしかに怖いシーンもあったけど、ジャケットのこの写真が一番血まみれ、中身はそれほどでも(もっとも、身近にああいう箪笥があったら、心穏やかではいられないだ…

『本格ミステリ05』

057(小説) 本格ミステリ作家クラブ編『本格ミステリ05』(講談社ノベルス) 特に印象深かったのは、以下の五篇。「黄昏時に鬼たちは」山口雅也 ミスリードにまんまと嵌った。私の好きなタイプの本格。「雲の南」柳広司 短いところが美しい。「二つの鍵」三…

『晴れた日は図書館へいこう』

058(小説) 緑川聖司『晴れた日は図書館へいこう』(小峰書店) 読書っていいな、図書館ってステキなところだなと思わせてくれる作品。司書の美弥子さんの子どもへの接し方がとても上手で、親の立場の私が読んでも学ぶところが大きかった。

『死体の冷めないうちに』

056(小説) 芦辺拓『死体の冷めないうちに』(双葉文庫) どれもトリックがとても面白かった。警察のダメダメぶりも、案外シャレにならないかも。

「姑獲鳥の夏」

個人的には「姑獲鳥の夏」より「魍魎の匣」を映像で観たいので、続編製作の企画がポシャらない程度にはヒットしてもらわないと困るのだ(笑)。でも、ヒットの鍵は「原作ファン以外の人がどれだけ多く観てくれるか」にかかっているような気がするので、うー…

『ルート225』

055(小説) 藤野千夜『ルート225』(新潮文庫) へえ、そういう終わりかたなんだとちょっとびっくり。大人向けの他の作品も今度読んでみようかな。

「ニライカナイからの手紙」

「主演の蒼井優がウチナンチュに見えてくる。」中江裕二(「ホテル・ハイビスカス」監督)推薦の言葉を頼りに、たいした予備知識もないまま観に行ったらば‥ 泣いたよ〜。観客みんな泣いてたかも(っても10人くらいしかいなかった(寂))。 ストーリーは、充…

「ABC」殺人事件

054(小説) アンソロジー『「ABC」殺人事件』(講談社文庫) 有栖川・恩田・加納・貫井・法月という豪華ラインナップは読みごたえあり。どの作品を好きかは、ミステリのどういう部分も面白いと思うかで個々に意見が分かれるんじゃないかな。私のイチオシは…

「ハサミ男」

原作は2000年に読んだっきり、あえて再読しないで映画館へ。で、観終わってから再読。 ほお、かなり原作に忠実な映画化だったんですね(チープだと思った警察の描写も、実は原作のまんま)。もちろん、小説ならではのネタは映画用にアレンジしてあるけど、原…

『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』

052(小説) 江國香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(集英社文庫) うわあ、参ったなあ、物語と自分の周波数が妙に合ってしまって。今の自分はまさに「安全でも適切でもない」不安定な状態なんだなあと、認識(って別に不倫とかしているわけじゃ…

『しっぽの国のビビビ』

053(絵本) 加藤タカ『しっぽの国のビビビ』(文渓堂) この人の絵は大好きなんだけど、色遣いは昔の方がいいかなあ。デジタルになってからはピンク系がカラフルすぎる感じ。その点今回は夜のお話なので、色合いが落ち着いていて良かった。お話もカワイイし…

『月読』

051(小説) 太田忠司『月読』(文藝春秋) 「月読」「月導」この設定がとにもかくにも素晴しい!(ほれぼれ)。終盤は本格ミステリ・マスターズらしく「おおっ、そう来たか」と身を乗り出す場面も。でも一番心に残ったのは克己の炯子、二人のシーンかな。大…

『となり町戦争』

050(小説) 三崎亜記『となり町戦争』(集英社) 印象を一言でいうと「さらさらさら」、でも水のさらさらではなく砂のさらさら、肌にザラつきが残る感じか。戦争を事業として扱う感覚は、以前別な本で体感したことがあったので、目新しさは感じなかったが、…

『名探偵 木更津悠也』

049(小説) 麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』(カッパ・ノベルス) 4つの短篇の中では「禁区」がお気に入り。文章が不親切で、込み入った物語を理解するのに少々骨が折れたが、ラストで意外な絵が浮んできて、わーそういうお話なら好きだぞ私(誤読かもしれな…

『パズラー』

047(小説) 西澤保彦『パズラー』(集英社) レベル高っ!まさしく“論理のアクロバット”、心ゆくまで堪能した。悪意に満ちた登場人物たちも、私はけっこう好き。さらに特筆すべきは、文章の技巧の高さ。「贋作「退職刑事」」はもちろんのこと、文章も人物造…