2008-01-01から1年間の記事一覧

『大相撲殺人事件』

045(小説) 小森健太朗『大相撲殺人事件』(ハルキノベルス) ぶっ飛んだ設定のわりには意外と真面目にミステリ(リアリティーがあるかどうかは置いといて)。設定以外にも、文章やキャラで笑わせてほしかった気が。聡子と御前山の会話が好きー。

「パコと魔法の絵本」

中島監督の「下妻物語」は大好きな映画で、でも今度のはいやに作り物っぽそうだなあ、俳優さんは豪華だけど‥なんて思っていたのですが、観に行ってよかった。子どもと一緒に行ったらもっと楽しかったかも。 あふれる色彩、楽しい音楽。テンポもすっごく良く…

「おろち」

原作は既読。といっても読んだのがかなり前だったので、映画を観終わった後にもう一度読み返しました。「姉妹」を映画化したのかと思ってたけど、そうか、「血」と合わせたのね。 たしかに原作はこういう話なんだけど、二つの話を無理にひとつにまとめるより…

「ウォンテッド」

うわーなにこれ、すんげー! とあるキャンペーンのせいで、予告は映画館に行くたび観させられてたんだけど、CG頼りの大味なハリウッド映画なんだろうと高をくくっていたんですよ。ところがあちこちのブログでたいへん評判がいいので、予定を変更して鑑賞。…

「おくりびと」

本木雅弘の納棺の所作が、しなやかで無駄がなくそれでいて優しく、ほれぼれするほど綺麗。エンドロールで使いたくなるの、分かるわ。 山形の自然、チェロの音色、確かな俳優たちの演技。前半は意外にもコミカルな要素が多くて楽しかった。これでストーリーに…

「ひゃくはち」

画面が暗転してエンドロールが始まり、湘南乃風の歌が流れ始めたら、なんかもう泣けて泣けて。かれこれ三十年近く映画ファンやってますけど、こんなに映画館で泣いたのはあんまり覚えがないかも。 自分は田舎の女子高に通ってたので、高校球児なんてテレビで…

「グーグーだって猫である」

初めて観た犬童監督作品。ほわほわと暖かく軽やかで、とってもファンタジック。でもホロリとする場面もあって、ステキでした。淡々としているようでいてテンポがいいので、観ててダレることがなかった。まあ、ニューヨークとかチアダンスとか、えらく唐突な…

最近の読書

再読は、原則として当ブログではカウントしていないのですが(じゃないと綾辻本ばかりになってしまう(笑))、最近の読書はスカイ・クロラ祭り<『スカイ・クロラ』再読、以下シリーズ五冊を順に読破、映画を観た後に『スカイ〜〜』再々読、『ナ・バ・テア…

『名作マンガの間取り』

043(その他) 影山明仁『名作マンガの間取り』(ソフトバンク) ネット書店で頼んだので、受け取って初めて本の小ささを知る。びっくり(笑)。題名は知ってるけど中身までは‥というマンガ作品が多かったので、できれば家の外見だけでも載せていただければ…

『本棚2』

044(その他)ヒヨコ舎編『本棚2』(アスペクト) 前作『本棚』と比べて、文章部分は文字を小さくコンパクトに、その分写真を増やして、蔵書の書名をより多く見せてくれたのは嬉しかった。人選も、作家あり書評家ありイラストレーターあり、まんべんなくて…

わたし、気になります 『遠まわりする雛』編

『クドリャフカの順番』と『遠まわりする雛』、両方とも角川の単行本(ソフトカバー)なのに、微妙に大きさが違うのは何故?旧家の一人娘に「える」なんてハイカラな名前をつけたのは誰だ?‥という疑問はさておき。 大好きな短篇集なんですけど、いくつか「…

「20世紀少年」

原作は未読。わー、ARATAくんがこんなところに。 大勢のキャストと元の漫画の絵とをずらり並べて表示したパネルが映画館のロビーにあって(なんでパンフには載せなかったんだ?漫画の絵)、なんとまあソックリでしかも実力ある俳優をこんなに集めたもんだと…

「デトロイト・メタル・シティ」

原作は未読。パンフやチラシで漫画の一部を見た程度。 クラウザーさんはトイレに着替えを置いてあったのかとか、そんな一瞬でメークできないだろとか、相川さんは天然がすぎるだろうとか、もー細かいことはどーでもよろしい(笑)。いやあ、笑いました。あん…

『雪沼とその周辺』

042(小説) 堀江敏幸『雪沼とその周辺』(新潮文庫) 『メッタ斬りリターンズ』で高評価だったので、ずっと気になってた短篇集。うん、いいもの読まさせていただきました。 物語も著者近影も(笑)平成の世のものとは思えない、でも古臭いのではなくとても…

「予言」

ぎゃーいつ終わるんだよー、汗びっしょり。恐怖新聞のビジュアル、突然やってくる音、要所要所で驚かせつつ、最後は余韻もあってなかなか。三上博史、上手いなあ。 (DVDにて鑑賞)

「感染」

病院というのは舞台としては雰囲気バッチリだし、(これは予告で云ってたからネタバラしにはならないよね)「意識に感染する」ってのはけっこう怖いかも。ストーリーはあってなきがごとし、医者や看護師の所作にリアリティーが足りなかったり、照明の色遣い…

「ダークナイト」

エンドロールを見て一番びっくりしたのは、ゲイリー・オールドマンがこんなに普通の役!?(そこかよ(笑)) 最初に予告編を観たとき、題名がほんの一瞬しか出てこないので、バットマンの映画だとは分からなかったほど。それで逆に興味を持ち、先ごろ急逝し…

わたし、気になります(『スカイ・クロラ』編)

森博嗣『スカイ・クロラ』シリーズ(『スカイ・クロラ』から『スカイ・イクリプス』まで)を読了した方、及び読んでないけどネタバラしされても構わない方のみ、以下どうぞ。(再読しながら疑問点や思ったことを順次書き足してます。追記:11日23時、13日1時…

「スカイ・クロラ」

ここ一週間ほどで原作六冊読破。森さんの小説の中でもかなり思い入れのあるシリーズなので、正直映画は「一応観ておくか」ぐらいのノリで行ったんだけど、うむ、なかなか良かったぞ。冒頭、スクリーンが一面空になりテーマソングが流れてきたところで、いき…

『スカイ・イクリプス』

041(小説) 森博嗣『スカイ・イクリプス』(中央公論新社) 特に好きだったのは、ササクラの話、海に堕ちたパイロットの話、最後の話。いつも雲上人(つまり空翔る天才)の話ばかりだったので、一度ぐらい失敗談も読んでみたかったし、ラストはこのシリーズ…

『クレイドゥ・ザ・スカイ』

040(小説) 森博嗣『クレイドゥ・ザ・スカイ』(中央公論新社) 眠かった(笑)。いや、つまらないから眠かったんじゃなく、主人公の記憶が錯綜するのと同調してしまって、なんだか。ラストは、ああなるほどそうか、と思った。

「クライマーズ・ハイ」(TVドラマ)

佐藤浩市主演のTVドラマ版。おお、セリフもなかなか原作通りだし、ストーリーも分かりやすい。ただ、原作を読んだときに自分が抱いた主人公のイメージは、もう少し普通の目立たない人だったんで、ちょっとアクが強すぎたかなあ。激昂する岸部一徳は初めて見…

『フラッタ・リンツ・ライフ』

039(小説) 森博嗣『フラッタ・リンツ・ライフ』(中央公論新社) 真冬に読めばよかった。さすがに四冊目ともなると、戦闘を美化しすぎなんじゃないかとか、飛行士はほんとにみんなそんな心境になるものなのかとか、疑問に思う部分もあったりするのだが、こ…

『ダウン・ツ・ヘヴン』

038(小説) 森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』(中央公論新社) 題名の意味が分かったときは鳥肌が立った。天国はそんなところに。どんよりと重たい灰色の空の表紙がぴったり。一作目から読んでいるので、物語の着地点は想像がついたが、やはり空中のシーンがこ…

『ナ・バ・テア』

037(小説) 森博嗣『ナ・バ・テア』(中央公論新社) 主人公が違うと、こうも雰囲気が変わるものか。物語はシンプル、そして弾んでいる。ほんの少し時間が経てば色褪せてしまう、今だけの鮮烈なきらめき。表紙の燃えるような夕焼け空がすべてを表している。…

『秘密(5)』

036(漫画) 清水玲子『秘密(5)』(ジェッツコミックス) 子どもと老婆と岡部さんっ。MRI捜査という架空の設定を、どんどん深く掘り下げていく作者の手腕たるや、さすが。

『スカイ・クロラ』

再読(小説) 森博嗣『スカイ・クロラ』(中央公論新社) 四年ぶりの再読。やはり、空を飛ぶ場面で自分の体も宙に浮いている感覚に。最後のシーンがまるっと記憶から抜け落ちていて、我ながらびっくり。どうやら、自分の中では「なかったこと」にしたかった…

『幻想遊園地』

035(写真集) D・HIRO/芝公園公太郎『幻想遊園地』(メディアボーイ) 云わば遊園地の死骸。なんとカラフルで物悲しく蠱惑的な。ホラーであり、経済の変遷という社会的一面も垣間見える。にぎわっていた頃の写真が一枚でもあったら、もっと廃墟の写真が引…

『クライマーズ・ハイ』

034(小説) 横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文春文庫) 映画は望月彩子が出てこない!びっくり。 未曾有の大事故と組織のしがらみの間で翻弄される主人公。友人の息子との関係でほっと息を抜かせつつ、最後まで一気に読ませる筆力に感服。 署名記事の記者…

『愛読者』

033(小説) 折原一『愛読者』(文春文庫) 高校の同級生に同姓同名、西村香さんがいました(大人しい女性でした)、というのは本編とは全く関係ない別の話。 名前といい著作名といい、西村香=某作家をイメージして読み始めたので、すんごい裏切られた気分…