2009-01-01から1年間の記事一覧

「サンシャイン・クリーニング」

家族っていいなあ。メゲても愚痴をこぼさず、涙目になりながらも口をキュッと結んでがんばる主人公が、良かった〜。 (映画館にて鑑賞) ところで、他の感想サイトを見ると「ダメ人間」だの「負け組」だの、そんな言葉の連続で読んでるこっちがメゲるわ(笑…

『夜にはずっと深い夜を』

069 鳥居みゆき『夜にはずっと深い夜を』(幻冬舎) 題名に惹かれて手に取った一冊(著者のことは、名前ぐらいしか知らなかった)。本もなかなか凝った装幀なのだが、それを見るずっと前、題名を聞いた時点で「読みたいな」と思わされた、こういうカンはまず…

『花と流れ星』

068 道尾秀介『花と流れ星』(幻冬舎) 久々に読んだ真備シリーズ。そうそう、このほのかに漂うユーモアが好きなんだよなあ。ミステリ的には「流れ星のつくり方」が白眉かと。心情がすごくよく分かる「花と氷」も良かった。『背の眼』『骸の爪』も読み返した…

刑事コロンボ「もう一つの鍵」

コロンボさん、「いや、疑ってるどころか、(犯人だと)信じてます」と云うわりには、根拠がちと弱いなあ。犯人が女だと、犯行の知的度数が低めになっちゃうのも、いまいち気に入らなーい。コロンボってけっこう露骨に、男性上位のドラマなんだよね。役員会…

「ココ・アヴァン・シャネル」

小柄なオドレイ・トトゥは、よく役づくりをしていたと思うし、彼女が関係を持つ二人の男性を演じた俳優も、それぞれに魅力的。ただ、「シャネルがいかにして、世の風潮に逆行するような美意識を身につけたのか」とか、「彼女がいかにして、デザイナーとして…

「カムイ外伝」

・松山ケンイチの動きがすごいっ。速くてキレがあって忍びそのもの、カッコよかったー。この人はほんと、どんな漫画でもキャラそのものになりきっちゃうから、すごいなあ。・大後寿々花は声がよく通るね。演技もしっかり地に足がついている感じで、好き。・…

『短劇』

067 坂木司『短劇』(光文社) まずは、こうした掌篇(最近は、「ショートショート」という言葉はあまり使われてないのかなあ)を一冊にまとめた企画に、感謝。やはり「いい話」が作者の持ち味なのか、ブラックといっても口当たりの良いまろやかさがあって、…

刑事コロンボ「殺しの序曲」

ああ、いかにもコロンボなストーリー運びで嬉しいなあ。自分の犯罪計画に酔いしれる知能犯が、とんでもないところでボロを出す。すすで汚れる顔、ゴミ箱の拳銃などのシーンも効果的。

本は見た目が何割?

ぱっと見て、誰の絵か分かるオリジナリティーはとても好きなのですが‥ バチスタ・シリーズの新刊かと思っちゃった。 森見さんの新刊かと思っちゃった。

「プール」

うわ、予告編で語られていること以外、なーんも無い(笑)。菊子さんや京子さんはどうやって生計を立ててるんだろう。でも、最低限暮らして行けるだけのお金があれば、あとはもう自分の好きなように、にっこり笑って生きてくほうが、自分も周りも幸せなのか…

刑事コロンボ「二枚のドガの絵」

ドガの絵の使い方が上手かった。動機にひとひねりあるところもいい。ただ、音楽がベタすぎてイマイチ。冒頭、次々に絵が映るシーンも細かくカットを割りすぎ、凝りすぎだと思った。逆に、幕切れの鮮やかさは、お見事(瓢箪から駒、の証拠にせよ)。

『ベスト・オブ・パズルゲーム☆はいすくーる』

066 野間美由紀『ベスト・オブ・パズルゲーム☆はいすくーる』(白泉社) 各章それぞれの終わりに解説あり。著者お気に入り(特にミステリ的に)の六作というだけあって、読みごたえあった。私的には、「西日の中のアリバイ」「戦うオリオンたちへ」も入れて…

「アマルフィ 女神の報酬」

全編イタリアロケ、気合い入りまくり。イタリアの街並みは美しく、物語のテンポも良いのでまったく飽きさせない。音楽も良かった。公開からだいぶ日にちが経っていたが、けっこうお客さんが入っていて、びっくり。うーむ、あんまり興行成績がいいと、またフ…

「女の子ものがたり」

うーん、私も一応「元女の子」なんだ(笑)けど、今いちピンと来なかったなあ。だから結局なんなんだという気持ちで終わってしまった。編集者は予想どおりの台詞しか云わないし、「貧乏」「汚い」とイジめられる子は、めっちゃ背が高くてスタイルよくて顔も…

刑事コロンボ「虚飾のオープニング・ナイト」

ロス警察に定年はないのか?(笑)。死体のありかが映像で徐々に分かるシーンがお気に入り(伏線があるともっと良かったけど)。

『“文学少女”の追想画廊』

065 野村美月・竹岡美穂『“文学少女”の追想画廊』(エンターブレイン) まだまだ続くぞ、“文学少女”祭り(笑)。描き下ろしは少なかったけど、大きいサイズでイラストのみをじっくり見られて、満足。ラフ画とそれに対する著者のコメントも楽しかった。ショー…

「20世紀少年 最終章 ぼくらの旗」

前二作観たからには、最後までお付き合いしなくては。エンドロールの後がこれだけ長い映画は、初めてかも。「え、○○くんって、どこに出てたの?」と思ったらなるほど、そういう役だったのか。大人時代を演じた役者さんと意外にも顔立ちが似ていたのは、新た…

「南極料理人」

ロケ地は網走か、なるほどオーロラは出せないわな(笑)。現実はもっと、極寒の地ならではの苦労や感動があるんじゃないかと想像。でも、映画はあくまでほのぼのタッチ。派手ではないがいい役者がそろって、ユニークな味に仕上がってました。堺雅人の娘役の…

『“文学少女”と恋する挿話集2』

064 野村美月『“文学少女”と恋する挿話集2』(ファミ通文庫) 「え、あの本編の裏でこんな出来事が!」的な意外性は少なく、驚いたのはサラダ油ぐらいだったが(笑)、反町くん&森ちゃんの掛け合いは楽しかった。イルカ待ちって(笑)。

『“文学少女”と恋する挿話集1』

062 野村美月『“文学少女”と恋する挿話集1』(ファミ通文庫) 裏話あり別人物視点からの話あり、完結した物語の隙間を埋めてさらに膨らませ、うまいなあこの著者は。しょっぱな(3ページ目)の独白からしてもう、胸がいっぱいになってしまったよ(笑)。

『“文学少女”見習いの、初戀。』

063 野村美月『“文学少女”見習いの、初戀。』(ファミ通文庫) 菜乃ちゃん、たくましいーーっ(ほれぼれ)。文学少女見習い(本家からはほど遠いが)vs. 文芸部新部長の、ほのぼのバトルを今しばらく見守ろう。

『“文学少女”と神に臨む作家(上・下)』

061 野村美月『“文学少女”と神に臨む作家(上・下)』(ファミ通文庫) 「作家とは、一人で狭き門をくぐるような孤独な職業だと、わたしは考えます」「読者は、作家を裏切るのよ」「裏切るのは読者だけじゃない。作家も読者を裏切る」 “作家魂”をまざまざと…

本は見た目が何割?

こちらのニュース記事にもなってる、「ジャケ買い」狙いの新表紙。太宰治『人間失格』を小畑健さんのイラストにしたらすごく売れた、ってのが始まりだったのかな。で、今やこんなにいっぱい写真やらイラストやら(笑)。 集英社文庫 角川文庫(あれ、白の表…

『“文学少女”と月花を孕く水妖』

059 野村美月『“文学少女”と月花を孕く水妖』(ファミ通文庫) 避暑地でほっこり番外編かと思いきや、ホラーあり、ミステリな落ちもあり。けっしてブレない姫倉さんがカッコいい。

『“文学少女”と慟哭の巡礼者』

058 野村美月『“文学少女”と慟哭の巡礼者』(ファミ通文庫) このシリーズ、元ネタに思い入れのある人は感じ方も格別なんだろうけど、私はそれほどでもないからなあ。とにかく今回は、みんな痛々しくって、もう‥。人の心を正しく理解するのは難しい、ほんと。…

『“文学少女”と穢名の天使』

057 野村美月『“文学少女”と穢名の天使』(ファミ通文庫) 聴衆を圧倒するトゥーランドットの歌声が、奇跡のような天使の子守唄が、本当に聴こえてくるかのようだった。キーパーソンが一つの高校に集まりすぎとか、大人が病みすぎとかも思ったけど、ま、いっ…

『“文学少女”と繋がれた愚者』

056 野村美月『“文学少女”と繋がれた愚者』(ファミ通文庫) うわわわ、文化祭でお祭り気分かと思ったら、めちゃめちゃハードやんけ。そんな中での遠子先輩、カッコよかった!推理力ならぬ“想像力”も冴えてたし。心葉くんもがんばれ。ところでこれ、リアルタ…

「ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜」

乙一くんの脚本(本名の安達寛高名義)目当てで観に行ってきました。「ホッタラケ」という発想、とても繊細で個人的なストーリー、などなど随所に乙一っぽさが感じられて、満足。背景の美術はティム・バートンっぽい黒さが垣間見えて、そこも好き。綾瀬はる…

『銀河不動産の超越』

055 森博嗣『銀河不動産の超越』(文藝春秋) うーむ、拾った宝くじが一億当たっちゃったとか、道を歩いてたら隕石が降ってきちゃったとか(あくまで例えです)、そういうレベルの現実離れ度で、なんかなーんにもないんだけど、そのなんにもなさが爽快でした…

『くるくるシニカル』

054 玖保キリコ『くるくるシニカル』(白泉社) 『シニカル・ヒステリー・アワー』愛読者だったので、大人になったツネコたち面々と再会できて、うれしいったら(^^)。それにしても、性格全然変わらないのに、ちゃんと結婚してちゃんと子育てもしているツネ…